お知らせ

[2025.12.14] 東方の博士たちの「真の知恵」

2025年12月16日

マタイの福音書はユダヤ人を対象に記され、その御言葉はヘロデ王の恐怖政治の時代という背景を提示しています。自らの権力を守るために無慈悲であったヘロデの統治下で、民は真の平和の王を切望していました。この時、東方、すなわちペルシャの「知恵ある者たち(博士たち)」が、「ユダヤ人の王」を探してエルサレムに到着します。これは、世の知識と華やかさの頂点にいた彼らが、パウロが断言したように「神の知恵」であり「神の力」であるキリストを探し求めた出来事です。マタイは、異邦人の知恵ある者たちの告白を通して、暴君ヘロデではなくイエス・キリストこそが真の王であることをユダヤ人に宣言しようとしました。博士たちの旅路は、今日私たちが世の富を王とせず、ただイエス様だけを人生の真の王として迎えるよう促す信仰の挑戦です。

東方の博士たちが「ユダヤ人の王」を探しているという知らせに、ヘロデ王とエルサレムの人々は不安を抱き、動揺しました。これは、世を支配していた権力、すなわちヘロデ王が、真の王の到来を不快に思い、敵対したことを示しています。ヘロデは祭司長たちと律法学者たちからベツレヘム誕生の預言(ミカ書5章2節)を確認し、博士たちを欺いて幼子を殺そうと企てました。これは、私たちがイエス様を王として従おうとするとき、世と悪霊たちが簡単には私たちを手放さず、信仰を諦めさせようとする激しい霊的な戦いがあることを象徴しています。また、地の名誉と富を見つめていた宗教指導者たちとは異なり、東方の博士たちは**星(天)**を見て訪ねて来ました。これは、私たちもまた地の事柄に囚われず、ただ天の希望と神を見つめる信仰を持つべきであることを教えています。

東方の博士たちは星の導きを受けて幼子イエス様がおられる場所に到着し、非常に大きく喜び、ひれ伏して礼拝しました。初代教会の伝承によれば、イエス様がお生まれになった場所は一般的な馬小屋ではなく、当時のベツレヘムの家屋の下に掘られた洞穴だったと言われています。現在その上に建てられている聖誕教会の**「謙遜の門」(高さ約1.2m)は、誰もが身をかがめなければ入ることができません。これは象徴的に、私たちの心が高ぶっていたり、世俗的な基準(「メシアならこの程度はであるべきだ」)に囚われていたりするならば、みすぼらしく低い所に人間の姿で来られたイエス様を決して見出すことはできないことを示しています。東方の博士たちは、その小さな洞穴で幼子イエスをキリストであると告白し、最も貴重な黄金、乳香、没薬**を贈り物として献げました。クリスマスを控え、東方の博士たちのように、私たちも謙遜な心をもって低くなって来られた主と出会い、礼拝するという真の知恵を実行できますように。



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